6/08/2007

「インテリアライフスタイル」見本市


6月8日最終日、東京ビッグサイトで開催中の「インテリアライフスタイル」見本市に行きました。会場いっぱいのきれいでかわいいインテリアや生活用品をみて、あらためてデザインブームを実感。しかし、直感的に理解できる使い易さ、手入れのし易さなどは考えていないのかな、といったものも目に付き、デザインってこれでいいの、という憂いも。デザイナーの「こんなの、どう?ほら、面白いでしょ」という、なにか”瞬間芸”を見せられているような発想、フォルムをそのまま商品にしたようなものが増えているなぁという印象です。デザイナー側の「こんなの、どう?」に対して、「カワイイぃ」「きれい」、「これ欲しいー」という反応での商品化。「これ欲しい」は、「これ買いたい」「どこで売ってるの」という購入意向ではないと思うのです。「もらうならうれしい」というギフト型反応も含めての危うい商品化ではないのか、また、リピートは考えていないのではないかと思われる”いっとき消費型”のデザインの多さにもそこはかとなく危うさを感じたのは私だけかな。

プロダクトデザイナーが見た、イギリスのカラー







緑の牧場を目にしつつ、湖水地方からだんだん南下しながら街々を訪ねて、イギリス人の色づかいのセンスに気づきました。'05年イタリアの街々を訪ねた時に気づいたのは、グレイの多彩さとその組み合せの抜群のセンスでした。建物のファサード、ドア、窓枠など、グレイにグレイを重ねてあるのです。一都市だけではわからないのです。今回のイギリスもいくつかの街を見て気づきました。イギリスはさまざまな明度、彩度、同じグリーンでも微妙に異なる色相のグリーンだと感じました。グリーンの多彩さとその組み合せのセンス。グリーン地に別のグリーンを重ねるのです。アクセントは淡いターコイズブルーやグレイッシュブルー。日本に帰ってからいくつかの色見本のチップで印象にある配色をトライしてみましたが、同じようなグリーンがないですね。陽の光、空気のせいなのでしょうか。 

6/07/2007

イギリスの保存鉄道










イギリスには蒸気機関車や客車などを整備、保存している鉄道が各地にあると聞いていましたが、今回のツアーでそのひとつを乗車体験。ウィンダミア湖のほとりLakesideからHaverthwaiteまで。20分ほどの短い距離ですが、感心したのは保存されているのがすべて本物。蒸気機関車はともかく、客車についても観光用に妙に脚色されたものではなく、ほとんど手を加えていないMkⅠタイプ(イギリス客車は、なぜか車両の妻面を黒く塗るのが特色です)。さらにヤードにある貨車まで保存の対象となっていること。また施設内にあるベドフォードの消防車やアメリカからの戦時供与車両の払い下げと思われるM19トラクターなど、さすが鉄道発祥の国、こだわりの鉄道ファン気質が伝わってくる保存鉄道でした。

ナショナルトラスト、ビアトリクス・ポターの村


イギリスへ行った目的は、絵本ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターが晩年を過ごした湖水地方を訪れることでした。ロンドンから羊の群れるなだらかな草っぱらを一路、北へ走って走って5時間あまり。やや土地が凸凹になってきたあたりから家の造りが石積みになります。だんだんにポターの描いた風景画の世界が広がってきたのには感動です。次の日の夕方、ツアーを離れ、田舎では数少ないタクシーを駆ってニアソーリー村を訪れました。絵本のまんま、100年前の風景画そのままが残るというのはすごいことです。あらためて感激。 しかしぃ、何かヘン。理由は村の家々の前の日本車が目障りなこと。イマ流に言うと、この情景に日本車はウザい。まさに興ざめとはこのことで、ナショナルトラストは購入する車にも制限を加えるべきだ。ポター女史も天国で泣いているはず。自国の伝統ある自動車産業をよそに手渡してしまったイギリスもイギリスだ。グローバリズムもほどほどに、各国とも自国の風土に根ざした、民族のDNAを感じさせる車を造り続ける義務があるのではないか、と強く思う。

6/06/2007

イギリスに行ってきました


5月26日から一週間イギリスに行きました。小さなオフィスでも何かと忙しく、この期間しか休みが取れないということ、花がいっせいに咲いていちばんいい季節だと聞いたからでした。私どもオフィスでもいろいろデザインさせてもらっている、ピーターラビットの絵本の舞台であり、作者ビアトリクス・ポターが晩年をすごした湖水地方にも足を伸ばすツアーがあったので申し込みました。ロンドンは過去3回行きましたがイギリスの田舎は初めての経験です。その第一印象、バスでロンドンを出て1時間も経たないのに広々とした目にもまぶしい緑がひろがり羊が群れているではありませんか。広々と羊、ときどき牛。街が続いている風景を見慣れた目に、これには驚きでした。
(つづく)