8/27/2008

エコデザイン展2008/ レンタルシステムと製作記


ワイン樽の部材と樫の端材を使った”パティオスツール”。レンタルのみで提供しようという提案です。なんでも買って所有する暮らしから、必要なものは必要な期間だけ借りて使うという意識改革をすることで新しく作られるモノの総量を抑えることが目的です。
新潟県三条市の木工メーカー、マルナオ株式会社(旧社名:有限会社フクダ)さんで、ワイン樽に使われ、内側が赤ワイン色に染まり湾曲したホワイトオーク材と出会ったことから発想したスツールです。イスやスツールはたくさんのデザインが試みられ、世界で考えれば万という単位でしょう。過去や現代に必ず似たデザインはあるだろうなと思いながらも、最小限の部材で作るというコンセプトで、人が座ることで安定する3本脚にし、樽のアールを生かし座面をデザイン。日曜大工で手づくりした試作(写真)とともにマルナオさんに持ち込みました。三条地域の木工はハンマーの柄やカンナの台など道具の部品を量産してきたことから、いわゆる機械化木工です。機械加工で量産向きにしたい、運搬を考えノックダウンにしたいということで、脚の構造、座面と脚をどのように加工し、取り付けるか、さまざまに試行。プロトタイプは座面、3本の脚、取り付け台という5つのパーツをネジで組み立てる案。脚に使われている通称”ぼたん”という樫の心材は硬く、細かいひび割れがたくさんあることから加工に向かず敬遠されてきた端材ですが頑丈な脚になりました。しかし、樽材は幅や板厚、アールも一定でなくその加工と取り付けは現物合わせ、手仕事です。部材の組みつけが不ぞろいなのもそのためです。商品化に向けてノックダウンにこだわるか、固定の3脚にするか、手加工の部分をいかに減らせるか、デザイン変更も視野に課題の克服を目指します。